亡國の孤城 『心の色』(外伝)



「俺、後で絶対呼び出しされる!!面貸せって言われる!!軍事費が…!!」

「落ち着いて下さいリスト様!!…ダリル様も一応は人の子です。軍事費はそりゃあ引かれるとは思いますけど………」

「お前は知らないんだ…!!屈辱の嵐を!!あの野郎の魔王ぶりを!!……あいつの苛めはきっと『そうだね。とりあえず、跪いてもらおうか』から始まるに決まってる…!!」

………ダリル様、どれだけ貴方魔王なんですか。



本の二年前までは、生意気な小僧だったのに………いつの間にか裏世界の魔王に君臨している。

頭脳の面でも、戦闘力においても秀でているダリル。
あの魔王様が言う事を聞くのは陛下のみ。

…陛下がどんどん神格化している気がする。

とにかく………………………軍事費は諦めましょう、リスト様。



「リスト様!イブ様が大広間に戻ってきました!」


臨時で使用している軍議室という名の調理場に、兵士が息を切らして報告しにきた。

厨房をせっせと動き回るコック等が、邪魔だなぁこの人達…とでも言いたげな目でチラチラ見てくる。






魔王ダリルにはバレたし、軍事費カットは免れないし、アレクセイは白い目で破損した壁とこちらを交互に見てくるし………。

















………リストの頭の中を駆け巡る不安だとか焦燥感だとか責任感だとかに………そっと、積もりに積もった私怨が合体した。










―――バンッ!



リストは震える拳をキッチンテーブルの上のまな板に叩き付け、こめかみに青筋を浮かべた。








「………我慢の限界だ!!もういい!もう、俺自らの手で奴の息の根を………!!」