「あそこだ!!シャンデリアにぶら下がっているぞ!!」
「三時の方向に跳躍した!!……やばい!!毒ガスを吐いた!!そこ!窓開けろ窓!!」
「おーい!!誰か救護班呼べ!!救護班!!第1師団は応接間の方へおびき寄せてくれ!!その隙に怪我人を運び出す!!」
現在城内にいる国家騎士団の兵士達の九割は、十代から二十代の若者。
つまり皆、イブのターゲットに他ならない。
全員が同じ命の危機に遭遇しているのならば、もうこの際一致団結して切り抜けるしかない。
国民を守るためにも、こんな危ないモンスターを城内から出す訳にはいかない。
切り抜けるのだ。
絶体絶命から。
神が………陛下が、帰って来るまで。
陛下ぁ―――。
「緊急会議を始める。モンスターことイブは現在、応接間付近に移動中。因みに移動方法に“闇溶け”は使われていない。これは幸いだ。しかし、今の奴の脚力は分かっているだろうが、我々の約五倍の速さ、スタミナを持ち合わせている。まともに追い掛けっこをして撒ける相手じゃない。よって、師団ごとに役割を決め、奴を撹乱しつつ時間を稼ぐ。何処か物置に閉じ込めておくのが最適だが、気に食わない事に、奴はその辺の考えは持ち合わせているらしく、誘い出そうとしても一向に引っ掛からない。食べ物で吊っても無駄だ。我々しか見ていない。とにかく!絶対に二人以上で行動する事!独りは厳禁だ!危なくなったら思念伝達で報せる様に!!もうすぐ昼間だ……思念伝達さえも出来辛い状況になってくる。……健闘を祈る。後は指示通りに動け!」


