亡國の孤城 『心の色』(外伝)
















―――…。














………。















「……………………………リスト様…もう一回言ってもらえないですか…?」

「誰が言うか馬鹿野郎…!!」

「……発情期……発情って………発情…発情……でも発情ってあの…」

「隣りで連呼すんな馬鹿野郎!!」


真っ赤になったリストが裏拳で殴り倒した。





気を取り直して再度百科辞典を睨み付けるリストの傍らで、部下達がヒソヒソと囁き合う。


「………発情って………その………あれだよな?」

「………いや………あれだろ。………男でも当たり前の様にある………あの感覚だろ……」

「………春画見た時とか……エロい夢見た時とかの………なぁ……?」

「……………………………イブ様が…?」






えー…ちょっと俺困るなぁ…、いや…どうしよう…、積極的な娘は好きだけど―…、でも俺…さっき狙われたし―…………。


顔を赤らめておろおろする、傍から見れば何とも気味の悪い兵士達。



食われる食われると怯えていたが………そうか………別の意味で食われるところだったのか。そうかそうか。



……などと言う、困り顔なのかニヤけているのか判別し辛い表情の兵士達だったが…。













「………この『狂騒期』で………交………尾………を、行なう前………雌は過度の貧血であるため、それを補う様に……雄の四肢に牙を立て、首筋に噛み付き、そのまま雄の血液を三分の二程飲み干す。……よって、この時……そのまま死亡する雄も……いる………」






















場の空気が、凍り付いた。