亡國の孤城 『心の色』(外伝)








そして昨日は………。















「………なんだか……夕方くらいから具合が悪そうでしたね…イブ様……」

第3師団長が思い出した様にポツリと言った。

………そう。

確かにイブは昨日、妙に顔色が悪かった。何故かフラフラと千鳥足で廊下を歩いていたし、目は明後日の方向を見ていた。
顔はやや紅潮し、眠たそうに目を擦っていた。
三分に一回欠伸とくしゃみを繰り返し、睡魔に襲われていた。




日が暮れた後、彼女は夕食もいつもの十分の一程度しか食べず、「………ご馳走さま…」を最後に、重い足取りで自室に戻って行ったのだ。




……珍しい。

………風邪でもひいたのだろうか。薄々気付いていた兵士等はそう思っていたが、特に気に止めなかった。







その結果が………今だ。















「………なんか悪い病気にでもかかったんじゃ……単なる風邪か?」

「………フェーラって風邪とか引くのか?………いや、もしかして風邪を引いたフェーラってああなるのかもしれない……」

「その辺どうなんですかリスト様!」

「俺に訊くなよ!!そりゃあ半分フェーラだけどさ!…奴等の生理現象なんて知らねぇよ馬鹿共が!!」

全員が、リストを最後の要でもあるかの様に見てくる。

だがリスト自身、フェーラについてはあまり理解していない。
リストは人とフェーラのハーフだが……どちらかと言えば幾分人間に近いのだ。





「生理現象か………有り得るな……。例えば急に狂暴になる時期とか……」

「イブ様………人間の姿だけど、何だかんだ言って人間じゃないからな………」