モンスターことイブがここまで来たのかと、勘違いした兵士等数人。
暗い室内の影に隠れてブルブル震えていた彼等は、入って来たのがリストだと分かるや否や、半べそかいて物陰から出て来た。
「と…特務師団長……無事で何よりです!………もう…食べられてしまったのかと……!」
「あんなのに食われたら一生の恥だ馬鹿。………他の連中は何処にいるんだ?」
リストの周りにのそのそと集まってくるのは、十数人。
皆、今にも死にそうな程真っ青だった。
「……わ、分かりませんが……調理場とか応接間とか……皆、上手い具合に分散しているみたいです…」
「今の内に城から出ましょうよ!!少しの犠牲も必要です!」
……無情な台詞が聞こえた気がしたが、リストはあえて無視し、資料室の空いたスペースに腰を下ろした。
「………待て待て!………あのな……逃げたいのはよく分かる。分かるが………あのモンス…イブは、仮にも俺と同位の特務師団長で、兵士だ。………国家騎士団幹部の厄介事は、国家騎士団で処理しないといけない…」
「リスト様………あんたどれだけ真面目なんですか…」
「うるせぇな。………仕方無いだろ……そうでもしないと、あの執務官長が無慈悲な訴訟を起こすぞ…………ただでさえ今、節約節約節約って軍事費減らされてんだ。………俺らがどうにかしないと後が怖い。……………………今もだが…」
………あれ…国家騎士団って貧乏だったんだ。
………今この時、こんな時だが…………金銭面における裏事情を、垣間見た兵士達だった。


