亡國の孤城 『心の色』(外伝)








「リスト様!!リスト様ぁ!!何なんですかあのモンスターは!?」

「馬鹿野郎が!!俺が知るかよ!!」



兵士として鍛えられた脚力をフルに活用し、有り得ない速度で逃亡をはかる兵士達。

リストと第1師団長は螺旋階段をひたすら昇っていた。他は一階の奥へ逃げたり、物陰に隠れたり。



「死ぬ!!死ぬ!!食われる!!食われるよ俺!!」

「うるせぇぞお前!!食われたくなかったらもっと走れ馬鹿野…」

後ろを振り向いたリストの視界に……。





………唾液を垂らしながら四足歩行で追いかけて来るモンス……イブが映ってしまった。

「おわああああぁぁ!!」

「何でこっち追いかけて来るんですかぁ―!?」

「知るかぁ―――!!」






何故こんな事になっているのだろう。

何故俺は今モンスターに追われているのだろう。

何故俺はこんなにも死に物狂いで走っているのだろう。

モンスターって何だろう。食べれるの?







もう何がなんだか分からない…。

そのまま一気に四階辺りまで上りきり、螺旋階段から外れて廊下を疾走した。
イブも床に爪を立てて傷を付けながら、それに続く。




「リスト様お早うございます、あら、イブ様もお元気なことで」

と、奥の廊下から召使が何人か現れた。

いけない………巻き込む訳には…!

と、ルートを変えようとしたが………イブは何故か召使達には見向きもしなかった。





どうやら、見境無し…という訳ではないようだ。

不思議に思いながら手摺を越え、リストは四階の廊下から飛び下りた。
すぐ後ろをついて来ていた第1師団長はいつの間にか別ルートを走っている。

あいつめ。