亡國の孤城 『心の色』(外伝)



「…………………………眠い………今俺は、猛烈に眠い……!!畜生!!」

頭を抱えて、うわー!と喚くリストを、全員が哀しげな目で見ていた。

「……リスト様…夜更かし苦手だからな…………というか、その書類ちゃんと整理出来たんですね」

「……リスト様、今日は休日ですし、ゆっくり寝て下さいよ。ささ、ちゃっちゃと挨拶終わらせましょう!」



幹部からの挨拶が終われば、皆ここでさっさと解散となる。

今か今かと、全員が今日という休暇を満喫したくて仕方無かった。

背中を押されて前に立つ様促されるリストだったが………ふと、ある事に気がついた。










「………………あのじゃじゃ馬は何処だ…?」


………じゃじゃ馬?

………………ああ…。






「………イブ様ならまだいらしていませんよ?」

「まだ寝てるんじゃないか?」




…そう言えば、この朝の集いに彼女の姿が無い。

リストと同位の総団長補佐兼特務師団長であるイブも、この場にいなければならないのだが。



………と言っても、無断欠席、遅刻は彼女の習慣みたいなものだ。
むしろ、いる事の方が少ない。どういう風の吹き回し?と誰もが驚く程だ。




こめかみを押さえながら軽く舌打ちし、リストはぶっきらぼうに言い放った。

「………誰かあの馬鹿を起こしてこい。………揃わないと休暇は無しだぞ」





………途端、それを聞いた兵士等は、「………えー…」と不満げな表情で互いを見合った。



「………俺嫌だよ……お前行けよ………イブ様、寝起き悪いし…」

「嫌だって………俺、この間寝ぼけながら目潰しされたんだぜ……」

「俺は鼻フックされた………」