「………………オクレテキテモウシワケナイデス……」
「宜しい。次はもっと感情込めてね。ま、あんまり変わらないだろうけど」
速さもマシンガンでありながら与えるダメージもマシンガン並みのダリルの言葉。
一度浴びれば大抵の者は立ち直れない。重度の者は泣いて帰って来る。
通り名…魔王ダリル、鬼のダリルとは、彼の事だ。
そんな彼の容赦無い、容赦って何?というくらい憎らしい口調に、今ではなんとか免疫はついたものの、一向に慣れないリスト。
ただでさえ短気なリスト。……あっという間に沸点に達した怒りを、根気で抑えた。
「総団長補佐兼特務師団長リスト殿、震える拳はもっと上手く隠した方がいい。あんた自信の世間体のためにも」
(余計なお世話だ魔王殿!!)
と、リストは内心で毒を吐くが、直後…普段無表情なダリルがゾッとする様な不敵な薄ら笑みを一瞬浮かべた。
「………お世話させてるのは誰だと思ってるんだい?」
………あ、そうか。この魔王は心が読めるんだった。
本当に魔王だなこん畜生。
悪い子には仕置だね、眠る様に死ぬのと一瞬で死ぬの、どっちがいいかな?………と、迫られたらどうしよう。応戦するしかないけど、はっきり言って自分とこいつの実力は互角だし、というか『理の者』の力使われたら互角も何も無いじゃん。
様々な想像を膨らませながら無言で滝の様な冷や汗を流すリスト。そんな彼をあえて無視し、ダリルは椅子から腰を上げた。


