亡國の孤城 『心の色』(外伝)

国家騎士団の現総団長であるジンは、16歳という成人になったばかりの青年である。

が、その性格はちょっと異質だ。

いつ如何なる時も独りを好み、基本的に神出鬼没。
話し掛けないと何も言わないし、無視することもしばしばある、超無愛想で無口な男だ。

たまに無表情で歩いている所を目撃するくらいで、今朝のこの集まりにも出ない程、他人に姿を見せない。
でもたまに、祖父にあたるアレクセイと激しい口論をしてたり、補佐兼特務師団長のリストに何故か鞭を振るっていたりする。



………何ともまあ近寄り難い青年だが、戦力を見ればべらぼうに強いし、教え方も上手だし、基本根は優しいのでそこはよしとする。




そのジンはやはり今もいない。本来ならば総団長自らが前に立ち、話をするのだが、どうやら強引にアレクセイに押し付けた様だった。




国家騎士団をまとめる、総団長の座につく者がおらず空いたままの頃は、一体誰が任命されるのだろうと誰もが思っていたが。

………まさか見ず知らずの…アレクセイの孫だが………そのアレクセイに遥か彼方にある異郷の地である里から呼び出された年若い青年が………入城初日に抜擢されるとは。





何考えているんですか陛下――!?

と、ジンを採用した陛下ことローアンに誰もが(特にアレクセイが)内心で叫んだ。





………当の本人も、それはそれはもう驚いていたが……何の事は無い。

今ではすっかりそれで落ち着いている。






あの右目の眼帯で睨まれても、誰も怯まなくなったし。