言いたい事を全て言い終えると、アレクセイは深々とお辞儀をし、軽快な足取りで大広間を後にした。
アレクセイが出入り口の扉を抜けて行くまでの間、兵士等はビシッと敬礼をし、その後ろ姿を見送った。
………全員が目で追っていた、老紳士の背中。
それがやがて口を閉ざして行く扉の向こうに消え、完全に見えなくなった。
………それから、約一分。
………静寂が漂っていた大広間だったが、古時計の秒針が12を指した時。
「「「「「―――や・す・み・だあぁぁぁぁぁ―!!」」」」」
わぁ―、と……さっきまでの厳格な空気は何処に行ったのか。全ての兵士等が万歳をし、共に休日の喜びを分かち合った。
…普段は礼儀正しく品格のある、白と緑を基調とした昔から変わらない国家騎士団の軍服が、今は無駄にはしゃぎ回る国家騎士団という名の妙な集団が纏い、威厳も何も無い。
「いやった―!!……待ちに待った休日だぜ!アレス感謝します!心の底から感謝します!」
「今日はどうしようかな―……部屋でごろごろしとくには惜しいな……首都まで一っ走りして来ようかな…」
「首都?なら飲みに行かねぇ?美味い酒の店、知ってるぜ?」
「昼間からかよ……」
「お堅い事言うなって。何なら地下で訓練していたらどうだ?ご苦労なこった!」
「総団長じゃあるまいし!休日に休まなくてどうする。……そう言えば総団長は?」
「さあな………やっぱり、地下の訓練場じゃないか?」


