冬の半ば辺りだったのだろうか。
完治したと思われた病が再発し、悪化し…。
吐血して倒れてから僅か二日後に……息を引き取った、らしい。
本の……一瞬の事だった。
跡取りのいなくなったコール家はどうするのだろう。
養子をもらうのだろうか。
そうでもしないと貴族の位も保てない…お取り潰しだ。
どうしたものか。
可哀相に。
親不孝の問題児であった上に亡くなるとは。
最後まで不孝者だったな。
可哀相な男爵様。
可哀相に。
可哀相に。
何も知らない、表面しか知らない世間は、そんな会話を交わしていく。
残酷な世間はそう認識し、偏った考えで散々悪口を述べた後………きれいさっぱり、忘れていく。
なんて、質の悪い。
質の悪い、夢。
そう、これは夢。
夢。
………夢なら、良かったのに。
………可哀相。可哀相。
世の中も、民も、コール男爵も、夫人も。
彼も。


