悪い、報せが。
まだ少し、肌寒いと感じる涼しい風が吹き渡っていた日。
何の前兆も無く、不意に………………それは、リネットの耳に入ってきた。
いつ、何処で聞いたのか…覚えていない。
ただ、ぼんやりとしながら……聞いたのだ。
聞いたのだ。
『―――……コール男爵家のご長男が…』
『―――………亡くなられたらしい』
亡くなられたらしい。
亡くなられたらしい。
亡くなられたらしい。
亡くなられた…。
死んだ。
―――誰が?
―――いつ、誰が?
夢心地の様な曖昧な意識下で、その言葉は永遠に響き渡った。
―――ねぇ…誰が。


