次に会えるのは、この冬季が過去った……翌年の春。
その短い様で長い数ヶ月を………待ってみようか。
無邪気な子供の様に。
首を長くして。
ただひたすらに。
待って、待って……待ち続けて…みようか。
これまで会った殿方には………こんな…こんな人はいなかった。
何故かしら。
………とても…とても…。
………とても………待遠しいの。
次に貴方がくれる、その花が。
次に貴方に会える日が。
何かしら。この気持ち。
何かしら。
知らない感情だけど。
嫌いじゃないわ。
むしろ。
待ってろだの何だのと喚いた挙げ句、何も言えず再び黙り込んでしまったアベル。
茹蛸の様に真っ赤な彼に歩み寄り、しばらく観察し………………髪から覗くその赤い耳元にそっと顔を寄せて。
―――待ってますわ。
小さく囁き、クスクスと笑いながら離れるリネット。
予想外の返事と、見た事の無いリネットの可憐な笑みに、アベルは一瞬惚けて、固まった。
馬鹿ね。
馬鹿みたい。
とても、面白い。
待ってる。
待ってるから。


