キリッとしていた彼の表情が……また次第に赤くなってきた。
その代わり様を、リネットは黙って見詰めていた。
「―――………俺は………お前みたいな奴に…その………………その…っ…とにかく、悔しくて……!………………もう知らねえって………お前が誰とどうなろうが……関係無い…。……そう…何も考えない事にして……」
………乱暴な口調で罵倒してくる時とは打って変わって…恥ずかしそうに…それでも懸命に……だがいちいち言葉を詰まらせる彼。
………こんな…目の前でその色白の顔を真っ赤に染めている少年は……本当に…………………あの、アベルなのだろうか。
『好敵手』と見ていた……彼なのだろうか。
…半ば、ぽかんとしながら……リネットは彼の言葉を正面で受け止めた。
………男だからといって偉そうで、威張っていて、権力を堂々と誇示する………………今まで見てきた殿方の姿は、そこには無かった。
………あるのは殿方ではなく…。
………………想ってくれている、一人の少年。
それも意地っ張りな………なかなか素直ではない、少年。
「………………お前は………お前は、どんな野郎にも……冷たく扱って………追っ払っちまう。………どんな野郎にも…とことん、だ。………分かってる………分かってるが………だけどな…………………俺は……………………っ……気に食わないんだよ!………お前が………他の野郎と話しているのが…!……………………何言ってんだ俺は……………」
「―――」


