「………アベル様は以前……そう、私にお話して下さいました。………………驚きましたとも。………てっきりリネット様をお嫌いなのかと思っておりましたけれど………………全く違う………むしろ、逆で……」
私が、生きている?
私が、輝いている?
召使の話に耳を澄ませたまま………リネットは終始無言だった。
私が、あの人を照らしていた?
暗い中を歩き続ける彼が………私を見つけた?
………私は、そんな大それた人間ではないわ。
……私は、他人が思っているよりもずっと………臆病だもの。
だから………疑心暗鬼に捕らわれているの。
そんな無茶苦茶な私を………彼は…。
「―――………ねぇ…」
「はい?如何しましたか?」
突然のリネットの呟きに、召使は髪を梳いていた手を一旦止めて、彼女の顔を覗き込んだ。
テーブルの上のランプの明かりに視線を注いだまま……ぼんやりとした表情で、リネットは再度口を開いた。
「―――…私って、鈍感なのかしら」


