「四人の殿方は皆、あっさりフラれておりましたよ!姫様、全く興味が無い様ですよ」
「……っ………その話はいいから……!」
「え?………ですが、リネット様に婚約しにいらっしゃった方々の人数や、姫様の反応はどんなものだったか、詳しく教える様にとおっしゃったではありませんか…?」
―――。
―――何………?
―――アベル………貴方何を………。
「………アベル様?…どうかなさい………………………………………あ……………」
ここでようやく、召使はリネットの姿を発見した。
瞬間、召使の目は泳ぎ………失礼します、と蚊の鳴く様な声で呟き、逃げる様に階段を降りて行った。
「………」
「―――」
よく分からない。
よく分からないが………気まずい空気が流れている事は確かだ。
当のアベルはというと、廊下の方を向いたまま、ピクリとも動かない。
そんな、かなり珍しい彼を見詰めながら、リネットは独り頭の中を整理する。
………アベルは…………差し金の事と、その際の私の反応を…召使からわざわざ聞いていた?
……これまでにも……?
………つまり…
………まあ、つまり……。


