そんな会話を耳に挟みながら、あたしがこれから過ごして行く"桜丘学園"に着いた。
駅からそれなりに歩いて疲れる。
まあ、案外綺麗な学園でよかったよ。




とりあえず、あたしは理事長と挨拶を交わす。
「やあ、理乃ちゃん大きくなったね、自慢の子だろうな、ははっ」
理事長はあたしの父親の後輩で。
「さあ、もう長いこと会ってないんで」
微笑みかけたあたしに、理事長は苦笑いし、『先輩忙しいからねえ』なんて言いながら、この学園の説明をしてくれた。

「あと、キミのクラスは女子が少ない。…これはどうしようもないことだけど、我慢してくれ」
苦笑いしながら、言われた言葉。
「なんでですか?」
あたしは普通に質問した。
「いやあ、うちの不良くん共が女の子を泣かせるからねえ。おかげでA組だけ女子が激減なんだよ」
なんつー理由だよ。
つか、泣くならやめとけっつーの。


あたしは毒づきながら、クラスへ向った。