〜♂said〜


女の家からの帰り道。

キスマークを付けられうざったい俺は、今機嫌が悪い。
あんな女二度と抱かねぇ…と心に言いながら、駅前のマンションに向かう。



ー夕暮れ時の、太陽が橙色に街を染めるー


俺はこのとき、人生最大の欲望に駆られることになるなんて思いもしちゃいなかった…。

あんな女、世界中探したってアイツしかいねぇと思うくらい俺を虜にさせたんだからー…



「おねーさん、若そうだけどいくつ?俺らよりは歳上だよな、こんなに大人っぽいし」
「暇なら遊ぼうぜ!俺たちに付き合ってよ!」
駅前の噴水の場所で、2人の男にナンパされてる女がいる。
囲まれた女は俺には死角で見えないが、なんもしゃべらねぇ女。
震えたりしてんのか、どうせ。