「やべぇ・・・逃げるぞ・・・」

慌てて逃げていく金髪と茶髪。

そばに止まっていたワゴンに飛び乗り、

そのまま走り去って行った。

はあ・・・。

何余計なことしてんだよ、俺は。

「あの・・・ありがとうございます・・・っ」

「ああ。うん、別にいいよ」

俺は、バイクにまたがりさっきまで忘れていたメットを手に取った。

「じゃあ」

メットをかぶろうとすると、

「待って!」

と、女の子が叫んだ。

「ん?」

「あの・・・何かお礼・・・。あのままあなたが助けてくれなかったら私・・・」

「礼?んなもんいらねーし。あの状況見たら誰でも助けるっつの」

「・・・でも」

よく見ると、すげぇ美人。

髪をサラサラの黒髪を軽く巻いて、斜めにまとめてた。

何か、お嬢様みてーだな・・・。

「お礼をしないのでは、気がすみません」

えらく律儀だし・・・。

「じゃあ・・・とりあえず行こ?」

「え?」

きょとん、とした顔で俺を見つめる女の子。