『静香(しずか)~?そろそろ起きないと学校におくれるわよ~?』

お母さんの高い声がまだはっきりとしない意識のなか聞こえてくる。

『うるさいなぁ~。もうちょっと寝かせてよ…』

私は小さな声でつぶやいた。すると…「ドスッ」おなかに何かがのった。

目を開けてみると…

『おはよ~静香♪そのセリフ何回目?そろそろ起きないと本当にヤバイよ?』

おなかにのってたのは双子の兄の大翔(はると)だった。

大翔はスポーツ万能で成績優秀、おまけに超がつくほどのイケメンだから

昔からモテモテだ。私はよく

『大翔様みたいな双子のお兄さんがいてうらやましいなぁ~』

と言われる。私はそうは思わないけど…(笑) って…こんなこと

考えてる暇なんてないんだった。早く起きて準備しなきゃ…

『大翔どいて?』

『やだ』

『早くどきなさ~い』

私はそういって大翔を突き飛ばした。ベッドから落ちた大翔を無視して

時計を見てみると8時だった。今日は入学式。たしか、生徒は8時30分までに

学校に集合だったはず… あと30分しかないじゃん!

初日に遅刻はしたくない…

『静香?俺先に学校に行ってるよ?』

大翔は私の返事も聞かずに先に行ってしまった。

『大翔のバカ~』

そぅ言いながら準備を始めた。