それをきっかけにおうじさまのえがおはきえ またごうまんおうじにもどってしまいました

 そんなあるひ おうじさまがそとにでかけていると しんでしまったはずのむすめがいました

 そのむすめは ほんとうはあくまのきゅうけつきのこどもで ふつうのにんげんとはかいふくりょくがちがうので ほのおのなかでもいきのこったのです

 おうじさまはそれをしってよろこび すむところがないというむすめのために しろのいっしつをよういしました

よろこぶおうじさまとはうらはらに おひめさまはこれがまたおもしろくありません

 むすめはころしてもしなないとわかったおひめさまは しょけいにんに おうじさまをしょけいする といいました

 そして あるひのよるしちじ
 おうじさまはしょけいされるちょくぜん
「のろってやる」
 といいのこし ぎろちんにくびをはねられました

 のちのひとびとは おうじさまはあくまのこだ といいました

        ――童話「あくまのこ」より――