ここからはじまる。

また朝がきた。この時間はいつも憂鬱だ。でも今日はいつもと違う。なぜだかよくわからないけど…
私はいつもと同じように朝ごはんを食べ、軽くメイクをし、家をでた。
私は途中なんども立ち止まった。カミングアウトというのはこんなにも怖いことだというのを実感した。

学校はいつもとかわりなく始まった。

授業が終わり、今は掃除の時間だ。私は掃除が割と好き。なんか嫌なことを忘れられる。

美織が机を持って前からきた。
その時、私は見たくないものを見た。
島崎がきて美織から机をとった…
いたって普通の光景かもしれない…でも私は見えた島崎の赤く染まった顔が…
なんでいつも私は見たくないものを見てしまうんだろうか…
いつもだったら出る涙もこの時は一滴も出なかった…
もしかしたら心のどこかで諦めていたのかもしれない…

結局、この日は言えなかった…
自分が弱くて弱くて嫌になる…