「理央奈っ!荷物の整理もしないで、ぶらぶら歩き回ってんじゃねぇよっ!」


「ごめん陽にぃ。でも、懐かしくて…」


私がそう言って周りを見回すと、陽にぃも釣られて周りを見回していた。

「……ここが、お前の育ったとこなんだな………」


「……うん」


「仕方ねぇな…荷物の整理は、海と友とやるよ。理央奈はぶらぶらしてろ」


陽にぃは、優しく笑って私の頭を撫でる。


「…いいの?!」


「気を付けて歩けよ?」

「…うんっ!ありがと陽にぃっ」


私はそう言って陽にぃに微笑んで、背を向けて走り出す。


「……………可愛すぎだろ」


陽にぃが顔を赤くしてそう呟いていることなんて、私は全く知らなかったんだ…ー。