「あ‥‥、送ってくれてありがとう」

私はそう言って中に入ろうとする。


と‥‥、



「理央奈ちゃん、」

「‥‥?何、忍君‥‥‥‥‥っ!?」


私は思わず目を見開いた。

私と忍君の唇が‥‥‥‥重なって、いる。


「し、忍君‥‥?」

「‥‥‥‥‥ごめん」

忍君は、一言そう言って、逃げるように帰って行く。

私は、呆然として動けずに、しばらくその場に立ち尽くしていた。