陽は、そう言うと俺の胸ぐらを締め上げる。

「理央奈は渡さない‥‥お前にだけは絶対に!」

陽は、締め上げていた胸ぐらを放すと、俺を睨んで家に入って行った。


佐藤陽‥‥あいつは、妹を守る為に族の総長になった有名人だ‥‥。


「まさか、その妹が理央奈ちゃんだったなんてな‥‥」

俺の呟きは、流れる風に乗って消えていった。