理央奈ちゃんが家に入ると、“陽にぃ”は俺に向き直って言った。


「理央奈は今日、お前ら星龍の所にいたんだな?」

「……あぁ。安心しろよ、危険な目に合わせてはねぇからな」

「当たり前だ。にしても、まさかこんな所で合うとは思わなかったぜ……総長殺しとまで言われ、黒髪のその容姿から『黒龍(コクリュウ)』と恐れられている…高野忍」

「それはこっちの台詞だ、中学生にして西日本No.1の族薄鬼〈ハクキ〉の総長になった……佐藤陽」


俺と陽は睨み合う。

と、いきなり陽が俺に殴りかかってきた。


「……いきなりは、卑怯なんじゃねえか?“陽にぃ“」

「てめぇに陽にぃなんて呼ばれる筋合いはねぇよ。呼んでいいのはこの世で1人だけだ」