たどり着いた公園で息を整えて忍君を見ると、とても真剣な表情をしていた。



「理央奈ちゃん・・・理央奈ちゃんと離れてた10年間で、俺はいろいろなことがあったんだ。母親に監禁されて、精神的に弱って、グレて・・・生きているのが面倒くさくなって、死んでしまおうと思ったこともあった」




息を飲む私に、忍君は表情を和らげて続ける。



「それでも生きて来れたのは・・・理央奈ちゃんとの約束があったからかもしれない」



「・・・・!!」



「小さい頃の気持ちだけで交わした無責任な約束だけど、その約束があったから今まで生きて来れたんだ」



私の目から涙が溢れる。





嬉しかった。




あの約束が、忍君の支えになっていたことが。





「私っ・・・今更小さい頃に交わした約束を言われても迷惑かもしれないけど、それでもっ・・・忍君が好きなの・・・・!!」



思わず口走った言葉。




恐る恐る忍君を見て、私は目を見張った。




忍君が、笑っていた。




小さい頃と、変わらない笑顔で・・・





「・・・迎えに来たよ、理央奈ちゃん」









fin.