呆然として陽にぃを見ると、陽にぃは穏やかに微笑んでいた。



「お前を守りたくて、暴走族の総長になった。でも・・・そこで知ったのは、お前と黒龍・・・高野忍の恋物語だった」


「・・・!!」


「お前は10年も経ってんのに、未だに大事そうに携帯にキーホルダーつけてるし・・・あぁ、勝てないなって分かってたんだ。それに、今の家族が好きだから・・・壊したくなかった」



「・・・・」



「お前は、俺の可愛い妹、だよ。でも、想いを伝えることくらい自由だろ?」


「・・・っ、」


口を開こうとした私を止めると、陽にぃは笑った。



「幸せにならなかったら、承知しないからな!!」



「・・・っ、うん」



その笑顔に陽にぃの色んな想いを感じ取った私は、ただ頷くことしかできなかった。



ありがとうもごめんなさいも、陽にぃをさらに傷つけてしまうだけのような気がして・・・。



私は心の中で、何度も陽にぃに謝っていた。



陽にぃの気持ちに応えられなくてごめんなさい。



そして好きになってくれてありがとう。



ありがとう・・・。