「理央奈、遊園地に行かないか?」
「遊園地・・・?」
病院での出来事から1週間、気遣わしげな表情で陽にぃが私に言った。
「あぁ、たまには兄弟四人で遊びに行くのもいいだろ?」
「・・・・」
正直なところ、あまり乗り気ではなかったけれど、海にぃや友まで用意をしているものだから、断りきれずに私たち兄弟は遊園地へと行くことになったのだった。
遊園地にて・・・。
「おい友、次あれ行くぞあれ!!」
「絶対嫌だね!!行くなら海にぃ一人で行きなよ、俺は陽にぃとあっちに乗るんだ!!」
言い合いをする海にぃと友を尻目に、陽にぃは私に優しく笑って言う。
「理央奈はどれがいい?」
「え・・・じゃあ、あれ」
私が指差したのは、この遊園地で一番怖いと有名なジェットコースター。
それを見たとたんに、海にぃの顔が青ざめる。
「あれー、海にぃってそんなにヘタレだったんだー」
揺するネタが出来たとばかりに海にぃを挑発する友。
「な、ななななな何言ってんだよ、あれくらい余裕だ!!」
「お、言ったな海。男に二言はないぞ?」
陽にぃも、見栄を張る海にぃを挑発するとジェットコースターに向かって歩き始める。
そんな三人に、思わず笑みが浮かんだ。
「・・・ありがとう、皆」
せっかくだし楽しもうと、私も三人の後を追いかけた。



