病室の中、重苦しい空気が漂う。


忍君は、ベッドの上で眠っていた。


「命に別状はありません。でも念のため、2・3日入院してもらうことになります」


お医者さんの言葉に、ひとまずほっと息をついた。


と、視線を感じてその方向を見ると、お医者さんが怖いくらいに真剣な顔で私を見ている。


「あ、あの・・・?」


「君が理央奈ちゃん、だね?」


「どうして私の名前を・・・?」


「少し、話があるんだ。いいかな?」


「・・・はい」


よく事情が分からないまま、部屋を出るお医者さんについて行った。