愛する人。



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 控えめな性格で、いつも休み時間に本を読む彼が、大好きだった。

 私は、人生初の告白をして……見事、彼とつき合える事になったんだよね。






 ――それから10年。




 ……私達は


 永遠の別れをする。







「珍しく、遅かったね」



 病室に入ると、少しだけ起き上がらせたベットに彼が横たわり、私に気付くと微笑んだ。


 確かにいつもより2時間近く遅い。


 もうお昼の時間だ。