愛する人。





 呟いた私の言葉に彼は頷きながら、


「それもあるかもしれないけど、僕の答えは違うんだ」


 微笑み私を見つめ、


「僕は……ここにいるよ」




 彼の手が


 私の胸に、触れる。






「こ、こに…?」



 声が震える。



「そう。ここ」



 丁寧に、子供を諭すように、彼は続ける。


「寂しいときはここに語りかけて?優子と僕はここで繋がってる。
 優子が幸せだと、僕も幸せなんだ。

 だって、優子と僕は一つなんだから」