愛する人。





「いえ、私もさっき来たので」



 窓を閉めながら、嘘をつく。



「じゃあ、母さん帰るから。

 優ちゃんいつもありがと。
 ちゃんと今日は帰って寝なさいよ」


 苦笑いで頷き、お母さんをドアまで見送った。



「おやすみなさい」



カラカラカラッ…パタン






 ……沈黙が、怖い。



 私が黙ってると、彼がベッドに入る音がした。



「優子、おいで」