愛する人。






 静かな彼の病室でおにぎりを食べていた。



 なんだか味気ない。





 部屋は個室になっててベッドは左中央、窓は真正面の一面。

 窓を背にした席が私の定位置。窓を開け外を見ると真っ暗で街頭が少しついてるだけ。



 ずいぶん時間かかるなぁ。

 時計を見ると、すでに一時間経ってた。




 ……足音。それと……すすり泣き?



 一瞬で硬直する。