……恥ずかしいなぁ。


 こんな近くに人居るなんて気付かなかった。




「もう暗くなってきてますよ?
 頭も……雪まみれですし風邪を引きます。

 お家は近くなんですか?」


 男性の顔が心配そうに見える。



 彼の言うとおり、確かにさっきまで灰色だった世界は紺色の……闇に染まってきていた。





「お宅はどちらですか?」

「いえ、大丈「社長!!」



 私の言葉を被せた大きな声。ゆっくり声の方へ向くと、


「社長〜〜〜!」


 海岸から入れる駐車場に、真っ黒な車と一人の男性が大声でこちらに向かって叫んでる。