ある日彼が倒れた。
救急車で運ばれたと彼のお母さんから連絡が来た。
その時には既に私は短大生になっていて、彼も大学生になっていた。
心臓に持病があるのは知ってたけど、まさかそんなに大変な病気だとは思わなくて。いつものように1ヶ月位で退院出来ると思ってたの。
……でも。
半年経っても彼は退院出来なかった。
二年目に、彼は大学生を辞めた。
私は短大を卒業して地元の会社に事務員で就職した。
蓮くんの腕の中、瞳を閉じると蘇る。
『彼』が逝ってしまった時の事。
私の中から色彩がなくなった、あの瞬間を……
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