高校二年生の春。


 私は彼と同じクラスになった。


 金子 裕太くん。

 背はそんなに高くなくて、透き通るような茶色のサラサラの髪に茶色い瞳。切れ長だけど優しい眼差しの、銀縁メガネの彼。

 読書が大好きな控えめの性格の彼は、いつも休み時間に本を読んでいた。



 そんな彼と近づいたのは、一緒の図書委員になってから。

 面白い本を教えてくれたり委員会の時に一緒に帰ったりして。 気づいたら、彼を目で追ってる私がいた。


 ……そして。

 三年生になり、私から告白して付き合うようになった。





「――本当に普通の子だった。

 彼と居る時間は穏やかで、目と目が合うと優しく笑う。そうすると、私は真っ赤になってすぐ俯いちゃうの。
 彼はそんな私を分かってて、……可愛いって言ってくれてた。」