愛する人。





 暗闇の中、彼の隣に座る。



「雷は好きなのに暗闇はダメって……変なの」



 クスクス笑いながら隣の私を横目で見る。


 感じ悪っ!




 ――それにしても。



「……停電、長くない?」

「う〜ん……復旧まで時間かかってるね。聞いてこようか」



 携帯を探しに行く蓮くん。


 ……ダメ!



「い、いかないで!」


 慌てて彼の腕を掴み、自分でもびっくりするほど大きな声で叫んだ。



 彼の腕を掴んだまま、


「……いっちゃ、ヤダ。」