愛する人。





「蓮くんっ大丈夫だよ!」

「………」



 下から見上げる彼の顔は無表情。

 いや……メガネの奥の瞳が怒って、る?


 寝室に着き、私をベッドに眠らせた。



「蓮くん、あのっ……具合、悪い訳じゃないから…」


 何て言えばいいか分からず、中途半端な言葉で彼に伝えてしまう。


 彼はベッドの端に座り、


「……震えてた。何かあったんじゃないのか?」


 言って、頭を撫でる。



 ……このスキンシップが原因です。とは、言えない。




 彼は額にキスをして、「眠ったらいい」と私に微笑んだ。