「……はぁ…」



 もう、溜め息しか出ないよ…。



 新しい働き口も見つからない。アパートの家賃も来月は遅らせてもらうしかないかな……。




「……寒い…」


 自然に砂浜に座り込んでた。





「…………」



 海はどこまでも灰色。
 波打ち際でさえも泡立ってて、冷たい。


 雪も綿のようにふわふわ飛んでいた。



 ……不意にそっと、胸に手を当てる。




 まだ大丈夫。


 私は、生きてる。