「会社が昨日付けで倒産だって!


 今みんなで専務と部長に事情聞くために連絡してるんだけど連絡取れなくて」



 彼は「奥さんに知らせなきゃ」と、慌てて電話をしに人混みから抜けて出ていった。






 私は何がなんだか分からないまま、自動ドアに貼り付けられた紙をただ見つめていた。








 ……2年勤めた会社が、倒産。




 突然の解雇に為すすべもなく……気づけば、1ヶ月経っていた。