愛する人。





「……眉間にしわをよせて、何考えてるんですか?」


 運転席にいる蓮くんがチラリとこちらを見ながら言う。



「――っいや!」


 言えない……。

 女の子をはべらしてる姿を想像してたなんて。


 絶対に言えない。




 私が黙り込んでる姿を見て具合が悪いと思ったのか心配し始めた。



「違うから!何でもないのっ
 ……ただ、蓮くん何人彼女が居るのかなぁ、なんて」



 ……ああ、私の馬鹿。




 蓮くんは呆れるかと思ったら少し緊張した、変な表情になった。



「……そんなに、気になるんですか?」