愛する人。








「おう、優ちゃん。今日はいつもより遅いねぇ。
 ちゃんと彼氏に送ってもらいなよ!」



 一階のエントランで警備員のおじさんがニヤニヤしながら言う。


 ……違うって言ってるのに。



 するとすぐ隣を歩いてた蓮くんが、


「はい、僕がちゃんと送るので」


 ……否定しなよ。



 おじさんはガハガハ笑いながら、熱いね〜だって。


 もういいや。





 たまに帰りが遅くなるとこうして送ってくれる。


 蓮くんはやっぱり女の子の扱いに慣れてる気がするんだよね、おねえさんは!