愛する人。






 ……目が離せない。





 室内用の黒縁メガネ。

 お風呂に入ったから無造作な髪。
 黒のシャツが第二ボタンまで外されて見える鎖骨。


 背も高くて、顔もいい。

 色気もあるなんて……。



「……彼女なんて腐るほどいるよね」



 呟いた、独り言。





「ひどいなぁ。彼女は出来たこと無いですよ?」



 しれっと絶対にありえない嘘をついた。



「イヤ、それはナイヨ。ナイナイ」

「優子さん、本人が言うのを否定するの?」


 蓮くんが苦笑いする。