「可愛い奥さんと息子のためだからね。なんてことないさ。

 ……あとは―――」



 言いながら、急に真顔になった彼。



「……“あとは”?」






「まず、優子さんの実家に挨拶行かなきゃね」


「――――っ」









 6歳年下で、彼との間に孫は産まれていて、結婚はしてなくて―――なんて……。



 お母さん……倒れちゃうかしら。







「その前に……とりあえず、俺たちの家に真っ直ぐ帰ろう」