愛する人。

「いちゃぃ、いちゃぃ」



　私が泣いていたのを頭が痛いせいだと思ったのか、抱き上げた私の頭をポンポン叩きながら緋桜は言ってきた。




「ｽﾞｽﾞ…　ち、がう。

　……嬉しかったから、涙が出たのよ？」



　私の説明に、それでも納得出来ないのか頭の手は止めない。






「…………俺の…息子……？」




　後ろでは困惑してる声がする。



　私はゆっくり振り返り、


「私の息子よ。

　緋桜、ご挨拶は？」




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