愛する人。





 私の言葉に、彼はギュッとつぶれてしまいそうな程に、私を抱く力を強めた。





「もう……絶対離さない。
 何が起きてもあなたを一人にしない。

 ずっと、そばにいる」




 ゆっくり彼が離れた。


 向かいあって、見つめ合う私達。










「……しっ こら、押さないの!」




 和音ちゃんのヒソヒソ声で、気付いた。





 ―――みんないたんだった!