愛する人。






 最近私達は姉弟のようだ。


 蓮くんは相変わらずたまに敬語になるけど、お互いに分かりあえてきたからか居心地がいい。



「そうだ」


 夕飯を食べて後片付けも終わり帰ろうとした時。
 蓮くんがパタパタとリビングから出て行った。



 なんだろ…?



 ソファーに座りエプロンを畳んでいると、


「これ、食べない?」


 蓮くんがケーキの箱を私の前に持ってきた。



「いいの?!」


 その箱は、いま巷で人気のケーキ屋さんのだった。それが食べられるなんてっ!


 あまりの私のテンションに蓮くんは苦笑い。……違うな。吹き出しそうだよ。