愛する人。





「もう……自分を許してあげよう。

 俺も許す。

 裕太にぃが大事にしてたあなたを愛してしまった俺を、許す。

 だから―――」



 俯いたままの私の肩を掴み、そのまま抱き締めて、


「あなたも、裕太にぃを想いながら俺を愛した自分を……許してあげて」









 裕太。 裕太。 裕太――――!






「あなたを、愛してる。」



 私の耳を、甘い吐息が掠った――…