愛する人。








「マーマー?」



 フッと視界が遮られた。



「えっ あ……緋桜…?」



 気付くと、目の前には緋桜のクリクリの瞳があった。



「まんま?」



 食べていない私を見て、食べなさいと言われてるようで……フッと笑みが出た。



「そうだね。ごめんね、ちゃんと食べるわ」


 私はお茶碗を持ったまま、ボーっとしていたらしい。

 ……いけないいけない。



 食事を続けていると、家のチャイムが鳴った。